九月九日は重陽の節句です。どんな日であるかの前に「九」という数について考えてみましょう。

「九」という数字

十とは全数として数の頂点です。満してしまえば欠くるだけという事からあまり好ましくないとされ「九」を最高の数、即ち《天の数》《陽の極数》と考えたのです。

また『糾』『鳩』に通じるので集まる”意味を持ち完成させるという意味を持つに至りました。

これは中国から来たもので、九のつくものが非常に多く、九天・九門・九献(三々九度のはじまり)・九羊(宮廷の飾り)などが挙げられます。

また江戸時代に、午前零時、午後零時を【九つ(ここのつ)】といい、二時間おきに鐘を鳴らしていました。まずは九つ、次は十八、二十七、三十六、しかし十八、二十七、三十六は鳴らすのが大変なので十の位を取って、八、七、六と時を知らせたのです。

これを見ても「九」と数が基本になっているのが分かります。

重陽の節句について

重陽とは九という陽の極数の重なりなので【重陽】といいます。この月は菊の節句でもあり、平安時代には観菊の酒宴が行われていました。菊酒といって酒に菊の花を浸して飲むと長生きが出来ると云われていました。

また、菊の着せ綿といい、前の晩に菊にかぶせて露に湿らせた綿で身体を拭くと長寿を保つとも云われています。